【ORGANIC WOOL HEAVY TROPICAL】 これまでうちで作ってきたウールトロピカルは60番双糸や72番双糸を使った昔で言う「細トロ」。今の猛暑続きの夏でも着られる薄手の生地です。今回初めて作ったのは「太トロ」。今までの倍ほどの太さである32番双糸を使って織ったトロピカルです。今どき梳毛の32番というと超極太糸で、僕もほとんど使うことがありません。もはや春夏向きの素材ではない肉感です。さらに使った原料も26.5マイクロンとこれも今では極太繊維。英国羊毛ではこの位の繊度を使って、メルトンやツィードを作りますが、メリノウールでは使ったこともないような太さです。しかし、これを使ったのには理由があります。ウールという原料を活かすには2つの方向性があると思っています。羊毛のもつ弾力性、ドレープや動かしやすさを活かして、落ち感美しく仕立てるのが一つの方向。そしてもう一つが、ウールの持つハリコシを活かして、形のしっかりと出る膨らみ感のある洋服を作るという方に振ることです。これまでの細トロはどちらかというと前者、今回の太トロは後者を意図しています。出来上がった生地はシャキッとしたハリコシで洋服のフォルムをしっかりと出せます。シャープにしたいところはシャープに。しかし、いせ込めるというウールの特徴で丸いところは丸く。